今回はストレートパンツの型紙の描き方の基本です。ちょっと長くなってしまいました(いや~~ね)。パンツの型紙を描いて実際に試作しました。通常のドール用パンツの型紙の描き方に即した場合は、型紙を見ただけでキューピーの体型には合わないと分かります。キューピー体型用の型紙にチャレンジしました。
出来栄え1
シャツを着ているといい感じのデニムパンツに仕上がりました。シャツを着ていないと足の付け根のしわが気になります。キューピーパパは、ママに言われるまでシワに気づきませんでした。細部を入念に見るのではなく、全体のかわいさで見れば上出来かな。
アップで見るとおへそ見えてるのでローライズっぽい。
出来栄え2
おへそが隠れるようにアレンジしました。ついでに足の付けのシワが目立ちにくいように修正しましたが、苦労した割に違いが明確になりませんでした。お腹の出ている分と足の付けの部分の差が大きいとどうしてもシワができます。
出来栄え1より若干シワが改善されています。シャツを着れば気にならない。おへそも隠れてます。
出来栄え1と出来栄え2に並んでもらいました。
昔、製作したパンツと比較すると今回の作品はパンツです。昔の作品は「う~~ん」ダサイ。
キューピー用のパンツの型紙の描き方
キューピーは、お尻よりお腹の方がかなり出ています。お腹だけが大きいように思いますが、計測するとウェストとヒップの差がほとんどないのです。通常のドール用型紙製作手順で描いた型紙では体型に合いません。通常、ヒップ部分に適応する方法を前身頃にも応用することにしました。
通常のdoll用パンツ型紙の描き方は、下記「ドール用パンツの型紙の描き方」を参照してください。
手順4QP 前身頃
下記「ドール用パンツの型紙の描き方」の手順3までは同じです。股上丈の線をベルトラインからウェストラインに向けて7㎜上げ(当初5㎜を予定していましたが、股ぐり丈が2㎜不足したため7㎜にしました)、股ぐり線を描いておきます。股ぐりの長さは7㎜長くなりました。
手順5QP 前身頃
ウェストのくびれとして手順4QPの曲線の先端を2㎜内側に入れます。ウェストのサイズのラインを新たに描きます(ウェストのサイズになっていることを確認しておきます)。股ぐり曲線、ウェストライン、脇線、ヒップラインを結ぶ線を描きます。
手順6QP 前身頃
このままではお腹の膨らみを十分表し切れていません。手順5QPで描いたピンク色の線を脇側を中心に回転させます。「わたりA」の先端の5㎜上に印を付けます。手順5QPで描いたピンク色の輪郭線は、股上丈を使って描いた四角形の左下を起点にして印まで回転させます。
手順7QP 前身頃
股ぐり曲線を描き直します。
手順8QP 後身頃
後身頃は、手順4QPと同様に描きます(反転転写)。「わたりA」の先端からベルトラインに向けて後身頃の股ぐりの曲線を描きます。
手順9QP 後身頃
ウェストのくびれとして手順7QPの曲線のウェストライン側の先端を上に5㎜、内側に2㎜移動させます。新たなウェストラインを描きます。股ぐり曲線、ウェストライン、脇線、ヒップラインをつなぎます。
手順10QP 後身頃
手順8QPで描いた図形を脇側に倒し、ヒップの丸みを作ります。「わたりA」の先端の7㎜上に印を付けます。手順9QPで描いたピンク色の線を股上丈の四角形の右下を起点に印まで回転にさせます。
手順11QP 後身頃
手順10QPの線とパンツ部分のラインを描きつなぎます。キューピーのためのパンツ(後身頃)の完成です。
手順12QP 前後身頃完成
キューピー用パンツ型紙の完成です。後は縫い代を付けるだけです。
ドール用パンツの型紙の描き方
通常のドール用パンツの型紙の描き方の手順に従って、キューピーのヌードサイズと仕上がりサイズを使って型紙を描きました。キューピーの特殊体型には合いませんでしたが、自分のdollサイズに置き換えるとパンツの型紙を描くことができます。
手順0 パンツの型紙に必要な計測値
型紙に必要な体型計測値を整理しておきます。
手順1 型紙のベースになる2つの四角形
1つ目の四角形を次の大きさで描きます。縦は腰丈③、横はヒップサイズ②です。上の線がウェストライン、下の線がヒップラインになります。2つ目の四角形の縦は股上丈④、横はヒップサイズ②です。下の線は股上線になります。2つの四角形を重ねます。
手順2 股ぐり(股下のカーブの部分)
前身頃股上線に「わたり」Aを追加します。「わたり」は、ヌードヒップサイズの1/4程度が目安です。
手順3 パンツの中心線
パンツの丈と裾部分を決める中心線を描きます。前身頃の股上線の脇側からわたり分の先までの長さを二等分したところが中心になります。この中心を通るパンツ丈Cをウェストから裾に向けて描きます。これで中心線(布目方向になります)とパンツ丈が決まりました。この線の先端を中心にパンツの裾周りDを描きます。
手順4 前身頃股ぐり曲線
ワタリの先端からベルトラインに向けて前股ぐりの曲線を描きます。カーブの書き方の注意点は、ヒップラインより下で滑らかなカーブを描くよう心がけます。
手順5 脇線
ウェストのくびれとして手順4の曲線の先端を2㎜内側に入れます。股ぐりの曲線を描き直します。脇線の先端は腰のカーブに合わせてベルトラインから3㎜上げ、新たにウェストラインを描きます。ウェストのサイズを確保できているか確認します。ウェストラインと脇線の合流部分はできるだけ直角になるように心がけます。縫い合わせ易く、縫い上りがきれいになります。裾まで滑らかな脇線に描き直します。
手順6
膝周りを確保して外郭線を結びます。パンツの前身頃が完成です。
手順7 後身頃股ぐり曲線
後身頃は、手順3まで前身頃と同様に描きます(反転転写)。後股ぐりのラインの上端は、前中心と中心線の長さ(黄色矢印線)の1/2の位置でベルトラインより5㎜上にします。ヒップラインで3㎜内側にくるように股ぐり曲線を描きます。前後身頃の股ぐり線の長さが、股ぐり⑥を充足しているか確認します。不足すると前中心と後中心部分が下がっておへそやお尻が見えてしまします。過不足は、股ぐり曲線や曲線の先端位置を調整します。
手順8 後身頃のヒップライン
腰丈を使って描いた四角形(小さい四角形)の左上の角を手順7の股ぐり曲線のウェストに当たる点に合わせます。この点を起点に右下の角がヒップラインに接するところまで回転します。これが後身頃の新しいヒップラインになります。
手順9 後ろ脇線
脇線はウェストから裾まで滑らかな線に描き直します。外郭線を結んで後身頃が完成です。前後身頃の脇線の長さが同じになることも確認しておきます。最後に股ぐりの長さを確認します。縫い代を付けるとパンツの型紙完成です。
型紙
出来栄え1と出来栄え2の型紙です。どちらの型紙を採用するかは好みです。
型紙のPDFデータはこちらです。
昔のパンツ