キューピーは、着物を着せてもらい、ちらし寿司とハマグリのお吸い物にひなあられを思う存分食べられる「ひな祭り」が好きで嬉しい日です。
この大好きなひな祭りを調べていると、仙石宗久著「十二単の話」という文献を見つけました。この文献によるとひな祭りのルーツは中国渡来の「上巳(じょうし)」の節句だそうです。上巳とは三月上旬の巳(み)の日のことです。暖かくなるこの日に水辺に出て人形「ひとかた」「かたしろ」に身のけがれを託して流すという風習がありました。この行事の期日を日本では701年から3月3日に定め、宮中では水にちなんで「曲水の宴(ごくすいのえん)」として催されました。曲水の宴は、庭園内の池に曲がりくねった水路を作り、その水路のほとりに陣取り、上流からお盆に乗って流されてくる酒杯が自分の前を通り過ぎないうちに歌を詠み、お酒を楽しむというものです。
この「曲水の宴」の飾りが東大寺(奈良県)のお隣にある「依水園」で「依水園のひなまつり」として平成31年2月4日から3月3日まで展示されています。キューピーも見に行ってきました。これが雛祭りの原点なのですね。80年ぶりに飾られたそうです。お雛様たちも新鮮な空気を吸い、みんなで楽しくお話しできてさぞかしお喜びのことでしょう。見せていただくとすごい飾りです。よーーく見ると歌を詠んでいるように見える口元だったり、ちょっとお年を召した官女さんはひたいにしわと数本白髪を見てとれます。夢の世界のリアルさに見とれてしまい時間を忘れちゃいました。真ん前で陣取り、他の人の迷惑に!並べ方の指南書もちゃんとあります。スゴイ。この曲水の宴は5セット作られたそうですが、戦争もあり何セット現存しているかは不明だそうです。ぜひ見に行ってください。
平安時代には、人形に着物を着せたり色々な調度を整えて飾る女の子の遊びを「ひいなあそび」と呼んでいました(源氏物語にも人形遊びをしている紫の上の様子が書かれています)。この頃「ひな」「ひいな」は、女の子が遊ぶ紙や木、土などで作られた小型の人形のことで、ひいな遊びは特別な遊びではなく日常の遊びだったということです。
この日常の女の子の「ひいな遊び」と「お祓いのための人形(ひとがた)の行事(曲水の宴)が一つになり、現代のひな祭りの原型になりました。室町時代には豪華に仕立てた男女一対の人形を送る風習がおこり、3月3日の夜は枕元に人形を置き翌日寺社でお祓いをしてもらってからしまい、翌年の3月3日に出す習慣が定着しました。雛人形の段飾りは江戸中期の武家や商家の風習で、宮中や公家は男女一対の人形だったようです。
依水園のお庭も素敵です。キューピーはおぜんざいをお友だち(千代子キューピーの姉)はお干菓子付きお抹茶をいただきました。お庭を拝見しながらまったりした時間を過ごせました。風情があります。季節折々に訪れたいです。