今回は「ZERO」にまつわる様々な事象の中から、コンピューターが登場する前の情報伝達機器をファッションで表現しました。情報伝達機器として遠く離れた場所へ最短時間で情報を届ける伝書バトに注目しChisakiがデザインしました。
「ZERO」とコンピューターの関りは、コンピューターが2進数(「1」と「0」)で構築された世界だからです。
衣装デザイン
伝書バトは紀元前から海上と陸上との連絡、戦地と重要な情報交換、SOS信号の発信、近年は新聞記者のスクープ記事を運ぶ役目を果たしてきた。伝書バトに託された数えきれない想いを文字や絵がプリントされた生地を左半身に配置することで表現しました。
風や嵐に関係なく一度放されるとひたむきに巣に向けて飛び続ける健気さといつ命が尽きるかもしれないはかなさを右半身に白い短い起毛の生地を配置することで表現した。
使命を帯びて飛び続ける力強さと生命力を右半身の肩に羽を付けることで表した。
首輪としてのリボンは、同じ道しか辿れない運命から決して解き放たれない悲しさを表しました。
型紙
今回の型紙は非常にシンプルです。羽は手芸ショップで購入しました(100円ショップも販売されていましたが、キューピーには大きすぎました)。
型紙のPDFはこちらです。
2進数とギガバイト
私たちが普段使っているのは10進数です。0から始まり9に行き着くと繰り上がって10になります。ちなみに10進数の「0」は2進数でも「0」です。「1」は「1」です。10進数の「2」は2進数では「10」、「3」は「11」、「4」は「100」となります。アルファベットも同様に「0」と「1」で表現できます。
私たちがよく使うギガバイトと「0」と「1」の関係はどのようになっているのかというと「0」と「1」を1つ保存すると1bitになります。「001」あるいは「101」を保存すると3bitになります。8bitは1byte、100億byteは1Gbyte(ギガバイト)になります。耳慣れたギガバイトの大きさにびっくりですね。
タイトルに込めた意味
MDFPTが10年を迎え、タイトルを「ZERO」としました。「ZERO」から連想するものは、一つの点としての「0」に直結するかもしれません。「ZERO」には10周年を迎えたMDFPTのプロジェクトを見直し、新分野に挑戦するという意味を込めました。「ZERO」は4つの軸「数(すう)」「礎(いしづえ)」「悟り(さとり)」「生(せい)」で構成しました。今回の伝書バトは、「数(すう)」の一つです。