キューピーは好きな食べものがいっぱいあります。いちご、ケーキ、どら焼き、桃、おかきなど数え切れません。もちろんプリンも大好きです。卵とミルクの素材の味わいを楽しめる昔ながらのプリン。パンナコッタに近い味わいの濃厚プリン。キューピーが一番好きなプリンは? と質問されたら困ってしまいます。
素材を味わうこうよんプリン(カーベカイザー)
焼き菓子が有名な西宮市にある「カーベカイザー」というお店の「こうよんプリン」は秀逸です。「カーベカイザー」を訪れるようになったきっかけとなったのがこのプリンでした。昔はプリンに「たんたん丹波のとろりんプリン」という長い名前が付いていました。今はシンプルになり「プリン」です。奥丹波産卵、丹波産低温殺菌牛乳(ノンホモの氷上牛乳、砂糖、塩を原料としたプリンです。なめらかな舌触りで素材のコクがあるのに後味がさっぱりしています。
「ママ、説明はいいから早く食べさせて」と恨めしそうな顔でジッとママを見つめました。「あ~~ん、ゆっくり味わってね」と言いつつやっとキューピーの口にプリンがきてくれました。何て幸せ。幸せが口からハートに届きました。
濃厚な峰山高原プリン
標高930mにある峰山高原のホテルにお泊まりした夕食後のデザートとして出てきたプリンで「HYOGO KAMIKWA峰山高原プリンが正式名です。
このプリンも素材にこだわっています。卵は神崎郡市川町のタズミ卵、丹波で育った乳牛のミルクを使っています。「芦屋プリン」のシェフが監修されています。この材料でパンナコッタのような濃厚な味になるのか不思議でした。丹波で育った乳牛ののミルクだけではなく「生クリームも使っているのかな」とプリンの瓶の底のラベルを確認しました。このパンナコッタのような濃厚な味わいは「チーズ」が使われていたのです。「クリーム」と「チーズ」が隠し味というか下に絡みつく濃厚さを出しているのね。
判定
牛乳と卵のプリンを味わいたいときは「カーベカイザー」のプリンが勝ちです。濃厚さを重視するならHYOGO KAMIKWA峰山高原プリンが勝ちです。勝ち負けをつけるなんておかしいですよね。どちらのプリンもたくさん食べられる美味しさなのです。そもそも、この2つを「プリン」という名前で一括りにしてはいけないのではないかと思います。2つのプリンが違うカテゴリーであれば、両方とも一番です(名案でしょ)。ということで、どちらも一番好き(表現がおかしいですね)。
カーベカイザーでの思い出
「カーベカイザー」にいく時はいつもドキドキ・ハラハラします。店頭にオーナーパティシエの大隅さんがいらっしゃる時は、キューピーが好きなプリンやケーキを思う存分買うことができないからです。なぜかって? プリンや生ケーキを買うと、保冷剤をセットしてくださいますよね。どのお店でも「お持ち歩きの時間はどれくらいですか?」と訊かれます。オーナーパティシエが、「1時間」という声を聞くと「お待ちください」と声をかけるのです。その理由は、30分以上持ち歩くと保冷剤を使ってもデリケートな素材の味が変わってしまうからだそうです。「自宅から30分圏内のケーキ屋さんで買う方が美味しいケーキを食べることができますよ」と言われました。オーナーパティシエに対して「頑固」という言葉は失礼かもしれませんが、ご自分の舌で確認した素材を最大限引き出したケーキ(作品)をベストな状態で食べて欲しいというお気持ちが伝わってきます。それこそが「食材・作り手・食する人」が喜ぶということでしょう。そう考えると売り上げ重視とは一線を画した「こだわりと信念」は大切ですね。プリンを手土産に買ってお出かけしたい時は、ドキドキしながらそーーーっとお店を覗いてしまう気持ちをわかっていただけたでしょうか。今の気持ちを持ち続けられるお店であって欲しいです。こだわり続けてください。