masuminキューピーが「お月見」のイメージを衣装としてデザインしました。
「お月見」というと十五夜の満月を想像しますが、十三夜も忘れてはなりません。栗名月、豆名月ともいわれます(キューピーは栗、枝豆が好きなのでこちらの月も愛でたいです)。名月の日に月がいつもきれいに見えるとは限りません。masuminキューピーは、雨で見えない「雨月(うげつ)」、曇りで見えない「無月(むげつ)」、薄雲がかかっている「薄月(うすづき)」をイメージした秋の月をデザインしました。
デザイン
今回のデザインは、輪郭が際立ち煌々と光を放ち夜空を明るく照らす月ではありません。薄雲がかかっり、ちょっぴり控えめに怪しげに夜空を照らす月をイメージしました。お月さまは、橙色と黄土色の中間色で艶感のあるサテンの生地を使ったミニ丈のワンピースで表現しました。薄雲がかかった様は、黒、シルバー、グレー、エンジ、ベージュのオーガンジーを短冊状にカットしてワンピースの上に何枚も重ねました。ちょっぴり重ねすぎてお月さまがほとんど見えなくなってしまいましたが、お月さまが薄雲を照らして複雑な色を作り出している様子は表現できてと思います。チラッと見えるお月さまは、満月なのか、半月なのか、三日月なのかを見る人が想像できる余地を残しています。
好きなお月さま
キューピーは、夜空にお月さまがいない星が良く見える新月の夜空が好きです。暗い空を明るく照らし、お月さましか存在していないかのように見える孤高の満月が好きです。「菜の花畑に入日薄れ」の歌詞で知られる朧月も好きです。春の「朧月」も好きですが、霞がかかり輪郭がはっきりしない曖昧さがある秋の月が好きです。同じ「下弦の月」であっても春は華やいで見え、秋は寂しげに見えます。寒く閉ざされた冬から解き放たれる春、木々が色づき葉を落とし冬への兆しを示唆する秋。この季節の移ろいに対する心もちが、月を違ったイメージに見せる妙ですね。
「好き」「好き」と一杯書きましたが、どんなお月さまであっても夜空を見上げてホッとするのが好きだということです。
型紙
日本の四季(MDFPT):World Collection
このデザインはMDFPTのデジタルファッションショー「World Collection」を構成する「日本の四季」の秋の一部です。このブログで紹介した「World Collection」もご覧ください。