万国博覧会が大阪で2025年に開催されます。50年前にもEXPO70という呼び名で親しまれた万博が大阪で開催されました。キューピーママは、何度も見に行ったそうです。各テーマ館は数時間待ちは当たり前でした。
その時、とても印象に残ったのが各テーマ館のコンパニオンのお姉さんたちでした。今回、リフレクターという素材を組み入れて制服を復元し、あこがれのコンパニオンに外見だけ変身しました。災害時に役立つ制服の価値を考える機会にもなりました。結論、キューピーはどのような服でも着こなします。そして文句なく「かわいい!」
リフレクターを使用した制服
リフレクターは反射板としてよく知られています。夜、作業服や警備服の目立つラインを目にすることがあります。最近は制服のボタンやスポーツウェアのフラッシュポイントしても使われています。リフレクターとおしゃれとは対極にあるように思いがちです。
この問題をEXPO70のコンパニオンの制服に組み込んで再現することによりリフレクターとおしゃれの関係を密にし、新たな付加価値を付けることができないか試作しました。紙で全体のシルエットとバランスをチェックしました。
おしゃれなリフレクターの付加価値
地震などの災害に夜間や地下にいるときに遭遇し、停電になった場合避難する方向が全く分からなくなります。大阪の梅田の地下商店街では店員が誘導する訓練をされているそうですが、暗闇では店員の識別ができません。誘導の声も雑踏の中に消えてしまうと思われます。こんな時、誘導する店員がキラキラ目印になったら声が聞こえなくてもわかります(スマホのライトをみんなが点けると思われますから光の心配はいりません)。
リフレクターを使ったおしゃれな制服があれば、日常着として使用できるので着用者も非着用者も違和感がありません。通路の壁にも避難経路の矢印を隠し絵のように入れ込んでおくという方法もあります。
サントリー館の制服
制服に関する少ない資料の中で、当時のデザインのままでリフレクターという素材を生かせる候補としてサントリー館の制服を選びました。
サントリー館のテーマは「生命の水」でした。制服の基調色は水の色のブルー、生命を象徴した白を格子状に縫い付け、「水と生命の調和」を、ミニスカートの裾を広げることにより未来の発展を表現したそうです。この白い格子をリフレクターという素材に変えました。
ベースとなるシルエットはプリンセスラインのミニのワンピースです。白の格子の縫い付け具合が不明ですが、写真をよく見るとところどころ格子が浮いているように見えました。コンパニオンの動きによって格子がずれないようにところどころ金色のボタンで固定されているように見えました。
EXPO70の制服
EXPO70で着用された制服の資料が少なく、数枚の写真と「日本万国博覧会パビリオン制服図鑑」という本と大阪千里万博公園内にある鉄鋼館の建物を利用したEXPO70パビリオンの資料数着です。展示されている制服はガラスの奥に数着見ることができますが、後ろ姿や細かいところは見ることができません。
EXPO70ではコンパニオンの制服ばかり気になりましたが、このイベント会場で働く人はすべて制服が配布されていました。職種に応じた機能性、会場内で目立つ必要があるかどうかなどすごい種類の制服です。2025年の万博でどのようなデザインの制服が着用されるか楽しみです。
EXPO70の今
型紙
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リフレクターを使ったファッション