キューピーは蔵王のスノーモンスター(樹氷)こと「ニョロニョロ」に合いたいです(このスノーモンスターは、ムーミン谷の仲間であるニョロニョロにそっくりだとおもいませんか?キューピーの勝手な解釈です)。蔵王に自生する針葉樹オオシラビソ(アオモリトドマツ)と蔵王特有の気候が樹氷を作り出します。ニョロニョロに合うためには、樹氷原の寒さをしのぎ、白銀の世界で迷子にならない色彩、もちろんキューピーのかわいらしさを損なわないファッションが必要です。
ファッションの特徴
大きな木がさらに大きな樹氷となった樹氷原は広く真っ白な世界です。身長20cmのキューピーは、白く大きな怪獣の中に埋もれてしまいます。「迷子札」の代わりにショッキングピンクの生地を使用しました。
標高1600メートルの場所ですから、気温が低く風も強いことが想定されます。頭をぴったり覆う防寒用フードは必須です。キューピーの頭は大きく、二頭身に近い体形です。身頃の型紙より大きいフードにびっくりします。
頭を覆うことばかり考えていると顔まで隠れてしまいます。愛らしい顔を見せながら防寒機能を発揮させるために試作を何度も試みました。頭にフードを密着させるためには、裏地を付けないという答えに行き着きました。
ラグランスリーブを考えましたが、フードを付けるので首周りの縫製を極力少なくするため、前身頃と後身頃を一体化した型紙にしました。防寒のためと着脱しやすさのため、身頃には裏地をつけています。