十二単は身分が自分より高い人の前に出るときの正装で、十二単の構成と着装順に決まりがあります(宮中では十二単を着せつける専門家というか職があったようです)。たくさん着ますからそれぞれのパーツの名前と重ねていく順番は重要です。1.白の「小袖(こそで)」に紅精好(べにせいごう)の「帯」を締め、足に「襪(しとうず:現代の靴下)」、2.緋色の長袴、3.単、4.〜8.五衣(五色五枚の重ね着:重ね色目には意味があります)、9.表衣、10.打ち衣、11.唐衣、12.裳の順にきていきます。どんなに重ね着をしても唐衣と裳を着けないと十二単とは言わないとか、武士の時代には経済的に苦しく豪華な衣装は廃れ、遂には途絶え、江戸時代に徳川秀忠の息女である和子様が中宮となられる時に復活し、その後も簡略化されたりと時代とともに変化してきました。まさにファッションですね。
構成と名称はわかりました。さあ、キューピーが願ってやまない十二単に挑戦です。それぞれの衣の型紙と縫い方はどうなっているのか調べましょう。
文献2:「時代衣装の作り方」なる本を見ました。この本に掲載されている長袴から作ります。と思いましたが、製図(型紙なのですが裁断図、印付けと縫い合わせ図)と本文の関連(図と本文のパーツの記述名がばらばら)がわからない?「素人には無理かなあ」とにらめっこすること2日。とりあえず縫ってみましょう!
はは〜ん。こんな形なのね(ウエストのひだはありませんが)ということで、ひだを加えたキューピー用の長袴型紙を作りました。思ったより簡単でした(頭の中で考えるより実行してみる:イメージしやすくなりました)。この不可解な型紙(裁断方法)は、布幅のが影響していると思われます。日本の着物の生地である反物の幅が現代の織物の幅(90cmとか120cm)より狭いため「当て布(衣編に当:字が違いますがゴメンなさい)」の必要があり複雑に見えたのでした(下右写真の長細い股下布)。ウエストベルトは右脇で片結びするようになっています。左脇は空きがありますがベルトは繋がっています。重ね着するために結びがかさばらないようにとの配慮かな?
長袴の型紙はシンプルです。縫い合わせる順番を間違えないように型紙の印を確認しながら進めましょう。
1.型紙①のアルファベットのAとA(脇明きから裾まで)BとB(股上の下から裾まで)、CとC(当てつけ下から裾まで)を縫います。
2.型紙②も同様にDとD、EとE、 Fと Fを縫います。
3.型紙①の後左脚の●と型紙②の当ての●を縫います。型紙①の当て▼と型紙②の前右脚の▼を縫います。
4. 型紙①の後左脚の股上○と型紙②の後右脚の股上○を縫います。型紙①の前右脚の股上△と型紙②の前右脚の股上△を縫います。
5.股下に穴が空いたような状態になります。この穴部分型紙①の当て□と型紙②の当て□を縫います。
6.ウエストのひだを片側3つ作り、しつけでとめておきます。
7.右明き(右側で片結びするため)で長さ40cmのベルトをつけます(左側の明きは突き合わせにします:上左の写真)。ベルトの型紙を忘れてました。ごめんなさい。